鉄仙のショートショート

2012年に若年性パーキンソン病を発症。アマチュア作家。

東寺(教王護国寺)

9月3日(火)16:00。京都駅から歩いて15分ほど、東寺の北東にある『慶賀門』から境内へ入る。

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門をくぐると駐車場が広がっており、左を見ると五重塔がそびえ立つのが目に入る。

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17:00で東寺は閉門されるので、慌てて拝観料を払って講堂、金堂をまわることに。

まずは講堂。白い建物に朱色の柱が特徴的な建物に入る。

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中は最低限の明かりしかなく、目が慣れるまでは真っ暗で何があるのか全く分からなかったが、次第に目が慣れてくると、目の前にある自分よりも二回りは大きいであろう仏像が真横を向いていることに気づく。驚いた。奥には、同じぐらい大きな仏像が遙か遠くまで隙間なく鎮座している圧倒的な光景が広がっていたのだ。

はやる気持ちを抑えて、仏像の正面にまわると、視界に収まらないほど横に長く広がった全21体の仏像(私が見たときは修復中の仏像があったので21体そろっていませんでした)がそこにはあった。立体曼荼羅と呼ばれる21体の仏像の神々しさは、これだけで京都へ来た意味があると確信させるものだった。

当時の色鮮やかな塗装が剥げ下地があらわになった黒い仏像の重厚な威圧感と講堂内のやや重苦しい空気に圧倒されながら私はたたずんだ。閉門一時間前とあって参拝客は数えるほどで、十分も待てば中央の大日如来の前が空いた。私は中央に移動して顔をあげた。目が合った。女性と目が合うのは日常茶飯事だが、仏像と目が合うのは初めてだった。東寺の大日如来は鎮座している高さと下げた目線が、私の身長とちょうどよい高さだったのだろう。 

10分ほど留まってから、私は講堂を後にした。

隣の金堂は黒い建物だった。先程の講堂と同じく中は暗かった。

 

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中へ入ると、薬師如来を中央に、右に日光菩薩、左に月光菩薩が鎮座していた。立体曼荼羅と比べると少し地味に感じた。

中央に立ち、顔を上げると、ここでも薬師如来と目が合う。 

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東側には小さな庭園があった。

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庭園の南には、あの有名な五重塔があった。

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これが、あの有名な五重塔か。と思いながら近づくと、高い、高い。全景を抑えようとすると少し離れなければならない。

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ただ、講堂で見た立体曼荼羅が凄すぎて、あまり感動できない。

気を取り直して、密かに楽しみにしていた場所へ。

北東にある『宝蔵』の前の駐車場。その右横に柳の木がある。下の写真の2台の白い車の前だ。

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小野道風ゆかりの柳である。柳の側を通りかかった道風が、失敗にめげずに何度も柳に飛びかかる蛙を目にする。柳の葉の高さから、飛びつくことは無理だろうと思っていたら、風で揺れた柳と蛙のタイミングが合って、見事、飛びつくことに成功。不可能に思えることも諦めずに続ければ、いつかは叶うというお話の舞台である。

下の写真では分かりづらいが、池に浮かぶ岩の左端には蛙が掘られている。

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南の南大門から東寺を出ようと思ったら、17:00前に閉められてしまった。北東の『慶賀門』の横から出て、南にまわる。

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こちらが南大門。

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東を向くと、五重塔が見える。

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京都駅に向かって歩き出すと、堀の奥に白い何かを見つける。

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アオサギだ。生まれて初めて見た。小野道風ゆかりの柳を見た後だけに、何らかのメッセージのように感じる。

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京都旅行初日から珍しいものが見れて気分が良くなった私はホテルのある京都駅へ向かった。

 

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