鉄仙のショートショート

2012年に若年性パーキンソン病を発症。アマチュア作家。

寒くなると痛くなるので、丸くなる。

 私が煩っているパーキンソン病というものは、人によって症状が異なる面倒くさい病気だ。私の場合、手足の振るえはないのだが、痛みはある。毎年、冬が近づくにつれて右足の甲がしびれるようになり、痛みが出るようになる。

 私は忘れっぽいため、毎年、病気が悪化したと落ち込むのだが、夏になる頃には痛みもしびれも消えて、何事もなかったように生活できるようになり、再び冬が近づくと病気が悪化したと落ち込むのだ。

 実はこんなことを3年ほど繰り返して、痛みの原因が寒さにより血行が悪くなるためだと理解した。もっと早く気づけよと言われるだろうが、忘れてしまうものは忘れてしまう。母に指摘されなければ、今年も気づかなかったことだろう。正直、1年前のことなんて覚えていられませんよ、私は。

 『寒い=痛い』という謎を解明してからは、部屋の中を暖かくするようにしていたのだが、困ったことに部屋が暖かくなると、眠くなるのだ。眠くなって寝ると、当たり前だが執筆が進まない。進まないと、原稿が書き上がらないため、収入が入らない。

 それでは困るので、たとえ外が吹雪いていても、数時間おきに窓を開け、部屋の空気を変えがてら、部屋の中をクールダウンして眠くならないようにしている。

 しかし、当たり前だが、寒いのだ! 寒いと、体が身構えてしまい緊張するらしく筋肉が硬直してしまう。そして痛くなる。痛みに耐えながら、数分我慢して、窓を閉めてストーブの前で丸くなる。コタツで丸くなる猫のように丸くなる。

 丸くなると、そのまま、うとうとし始め、なぜだか無意識に毛布を引っ張てきてしまうらしく、いつの間にか眠ってしまう。気づいたら日が暮れていることもある。

 昔、我が家に猫がいたときは、よくそんなに眠れるなあと感心したものだが、今なら言える。私も一日中、眠れるぞと!